板橋区のマンション事情
板橋区分譲マンション実態調査報告書の冒頭「調査の背景」ではこう述べられています。
『分譲マンションは、都内のストックが140万戸を超え、板橋区においても平成17年の国勢調査では、49,581世帯が分譲マンション(持ち家の共同住宅)に居住し、その数も年々増え続けており、今や区民の一般的な居住形態として定着している。 分譲マンションは今後とも増加していくと考えられ、その円滑な維持管理の実施は、良好な住宅ストックの形成を図る上で重要となっている。 そのため、分譲マンションの維持管理にあたっては、区分所有者間の合意形成や技術的判断等さまざまな課題を解決していく必要がある。 これまで、板橋区では分譲マンションの維持管理の課題に対応すべく、マンション管理に関する情報の提供や耐震診断、改修・建替え等に対するさまざまな支援を行ってきた。 しかし、近年の分譲マンションをとりまく社会情勢の変化及び大規模修繕や建替えへの対応が必要となるマンションの増加や高齢化率の上昇など、今後予想される状況に対応した、より効果的な支援を行っていくためには、分譲マンションの維持管理に関する実態を調査し、その課題を的確に把握することが重要となっている。』 板橋区マンション管理士会は、区の施策や事業と連携し「マンション管理・運営に関する情報提供」や「相談窓口の充実」に協力して行きたいと考えております。 板橋区マンション管理士会について
板橋区マンション管理士会は、板橋の地域管理士会として設立し、区内に在住・在勤するマンション管理士で組織する団体です。
当会に所属するマンション管理士は、平成13年8月に施行された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション適正化法)」に基づき、管理組合の運営全般に関わるアドバイスを目的として活動する、マンション管理を専門とする国家資格者です。 私たちは≪地縁を大切に≫を合言葉に、マンション管理の専門家として地域のマンション環境を育み、管理組合の様々な問題解決のお手伝いをしたいと考えています。また活動を通して、組合員の皆様との信頼関係を築き、素敵なマンションライフのお役に立てることを願っております。
マンションの管理は、組合員の皆様の財産的価値の保全と住環境の向上を目指すものであると云いますが、私たちは管理組合の皆様の良きパートナーとして、皆様のマンションの質をより高める為に、管理組合の自主性を育み、管理維持の大切さを訴え対応策を提言して管理組合のパワーアップを目指します。
【当会の活動理念】 “地域から求められる管理士である為に” <今月のコラム> マンションの取扱説明書は必要なのでは? 製品購入に際して、ユーザーの立場からの丁寧な取扱説明書が付けられている製品はメーカーの信頼性にも繋がる効果となっている。 説明書には、概して機能、注意諸事項から操作方法、使用要領の説明とメンテナンスの方法が通常は記載されているが、昨今紙ベースでの説明が減少し、デジタルベースでの対応が多くなっている印象があり、若年層には抵抗ないもののマンション管理組合の運営を担う高齢層にはやや難しい環境となっている。 ご存じのようにマンションは、不動産との観点から取得時には不動産業者の立場にある関係先からの重要事項説明が施されることとなっているもののその主体的内容は権利関係が中心となっており、取得するマンションの維持保全の心構えに対する説明は殆どなされていない。 小職の携わる業務は正に取得した以降の権利者としての心構えの助言であり、今後の先々の起こり得る課題に対する提言と日常の活動に対する関係者としての情報として取り扱い説明が購入者に提供されればこれらに対する取り組み姿勢が少なからず醸成されるのではないかと感じられる。 昨今、マンションの管理問題として採り上げられる課題は、くらしの相談に関するものから国をはじめとする地方自治体からの管理組合の課題としてへの訴求が多く、流れとして個人的相談からマンション全体の管理問題へと変遷してきたことから、伴ってマンション管理士の問題提起も細分化して助言するケースが増加している印象を受ける。 確かに既存のマンションの抱える問題は、経過年数と共に解決に苦労する事例が多くなり故に解決への時間は以前に増して多くなっている。 それらの問題のうち、修繕積立金の不足と役員選出の困難さに関するものが昨今クローズアップされているものの、これらは以前から提起されているものである。 具体的に内容の改善度が低く、取組みについても目新しい策に乏しい問題であり、体質維持への深刻さが増している感のある課題である。 筆者は、マンションの管理組合は、財務の健全化と組織体質の強化についていつも提唱し、適正な積立計画の策定(管理会社主導の策定プランは実体を反映しないケースもあり)と先を見据えた体制の整備の必要性を説いている。 積立金不足問題は人災であり早期に適正な計画策定が施していればかなりの確率で整備できる問題であり心構えで解決できる問題(階段式積立から均等積立への方式変更等)であり、体制については、将来を見据えた理事会支援型アドバイザーの任用により課題の早期発掘を実現し、適正な時期での事業化を実現する意向をもつことで打開できるが、これらの取組みは、マンションユーザーの認知度としては決して高いものでなく、現実は一定経過年数を経て住居としての問題に直面した時に多くの人が気付くことになり、結果として先に記した環境になっている。 確かに、マンションの売主から見ると販売上は積立金を低額に抑えることはランニングコストとして有利に展開するが、裏をかえせばそのつけはユーザーに還ることになるものになり現実の説明は販売上不利になることから取扱説明は消極的になるだろう。 しかしながら、積立金は抑制しても月々の維持費である管理費の設定水準は概して割高であり近来は、目先での抑制策として、本来留保すべき使用料(特に機械式駐車場)を管理費に充当して負担すべき費用を穴埋めしている事例が目に付く。 ここことは、言いかえれば管理費への流用であり財務処理としては不健全の感が残る。 これらが、積立金不足の大きな原因として以前から警鐘を鳴らしてきたが、最近ある自治体が部分的であるが策定計画に対し指導を強めているとの情報をうけ漸く問題の本質に近づいてきているのではと実感する次第である。 本来としては負担金額の増額はユーザーにとっては歓迎できるものではないが準備する必要がある目的金額を抑制するには将来において大いなる損失が生ずることになり、現在多くの管理組合現場で見る目先抑制型は管理組合の体質強化に反する施策でありユーザーの為には失うものがあっても得るものはない策と考える。 以上を纏めるとマンションの取扱いとしてメンテナンスの必要な部位と時期の明示とその心構えとしての事前準備の必要性、日常管理としての維持保全の方法等の説明は現在の分譲時において事前の説明が欲しい事柄でもある。これらの説明が徹底されれば少しは積立金不足のほか、他のマンション管理問題への対応策への効果に寄与するのではないだろうか。 管理組合は、就任期間が短い役員が特性的なことから団体性向的には思想の継続性が薄く長期的視野に立った施策の遂行はなかなか難しい環境にあり、これらを打開し問題への関心と対応への取り組み姿勢が保てる組織の醸成ができれば、より課題の解決を図るためにも強い体質の組織つくりが待たれるものである。(茂木) |
板橋区の分譲マンション支援・施策情報
【板橋区の分譲マンション大規模修繕アドバイザーの派遣対象について―― 】
板橋区では、分譲マンションの大規模修繕をお考えの管理組合に対し、「分譲マンション大規模修繕アドバイザー」として1級建築士やマンション管理士を派遣し、大規模修繕に係る技術的支援や、修繕を行うために必要な「区分所有者の合意形成」に係る助言等を行います。 その派遣対象となるのは? ○板橋区内に所在する分譲マンションの管理組合であること。 ○住宅として使用されていること。 ○大規模修繕を行う意向があること。 ○建築基準法に基づき建築された建築物であること。 となっています。大規模修繕でお悩みの管理組合は是非ご検討ください。 ※詳しくは、板橋区役所 都市整備部 住宅政策課 TEL:03-3579-2186 に お問い合わせ下さい。 ごあいさつ
当会は、団体名称のとおり板橋区を活動地域とする管理士会です。
私たちの役割は、「管理組合のよき提言者であること」と心得、組合員の皆様のよきサポーターとしてその任務を果たすことが使命と考えています。 優良なるマンションの育成を目指して、毎月開催している“マンション管理無料相談会”の他、区の主催するセミナー、交流会等の行事運営について協力団体として参画し、多くの管理組合関係者との触れ合いを深めています。 皆様の地域のお近くのマンション管理士会です。取りあえずお声を掛けてください。(茂木) ――何事によらずお気軽にお尋ねご相談いただきますよう―― 会員一覧
【正会員】
池田 泰介 (前野町2) 大森 和 (上板橋2) 小川 正幸 (志村1) 小林 洋一 (中台3) 坂本 憲俊 (加賀1) 鈴野 聰 (高島平3) 武井 秀記 (成増3) 西村 博志 (加賀2) 林田 守一 (中台3) 松尾 晶正 (常盤台1) 茂木 初夫 (氷川町) 山田 博史 (成増5) 吉井 辰美 (高島平1) ―――――――――――― 【協賛会員〈弁護士〉】 木場 真彦 (常盤台) 若月 隆明 (前野町) 松本 治 (大谷口) 吉岡 譲治 (千代田区) 森居 秀彰 (千代田区) 渡瀬 耕 (文京区) 前田 哲兵 (練馬区) 【協賛会員〈建築士〉】 真柄 守人 (東山町) 中村 征三 (成増) 伊藤 俊久 (成増) 黒沢 清作 (高島平) 堀 英彦 (徳丸) 廣瀬 光夫 (板橋) 【協賛会員 〈税理士・公認会計士〉】 長谷川哲央 (前野町) |